Memorandum London Diary

英国ロンドンにてUniversity College Londonの教育大学院に留学しています。その生活の中で感じたことを徒然とメモしていこうと思います。

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留学して英語ってどのくらい伸びるの?という感覚値

まだロンドンに来てしばらくなので何とも言えない部分はあるが、現時点で思っていることを徒然と書いておきたい。

Reading/ Writing/ Listening

気が遠くなる量のReading Listとエッセイやレポートなどの課題があり、大学の講義もディスカッションも日々の暮らしで聞こえる言葉は当然英語onlyなので、特に気にしなくても伸びると思うし、実際ロンドンに来る前よりもストレスなくスラスラできるようになっている自覚も何となくある。automaticに伸びる感じで良さそう。

Speaking

のだけど、Speakingに関してはちょっと印象が違う気がする。結局、自分が自信を持って話す言葉じゃないと口に出ない感覚というか、自分が知ってる表現を使い回して話してはいるものの、Speakingにおける語彙力や表現の種類が増えた実感はあまりしない。これはロンドンに留学に来ている日本人の方と話してても、おおよそ近い意見になる。そして留学中でもなにがしか英語の勉強をしている人も結構いるように思う。

僕自身、上記のようなことを思ってからは、1日1-2時間ほど、Netflixを見てひたすらシャドーウィングをするのと、ロンドンのYoutuberが毎日アップロードする動画やYoutube LIVEを見るということをしている。で、使えそうな表現はメモっておき、翌日の授業や日常会話の中で意識的にそのフレーズを使い続けて頭に覚えこませる、という地味なサイクル。

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ちなみに最近面白いなと思って見ているのはこれ。NetflixのSingapore Social(シンガポールソーシャル)。

シンガポールに住んでいる2-30代の若者6人組を描いたドラマなのだけど(テラスハウスっぽいと言えばぽい?)、公式サイトから引用すると「恋愛、キャリア、そして家族との関係。小さな経済大国シンガポールで、社会の枠にはまることを拒み、自分の生き方を貫こうとする若者たちの素顔を追う」ストーリー。クラスメイトのシンガポール出身の友達に聞くと「ドラマとしておもしろいけど、正しいところと全然違うところが混ってる」らしい笑 

www.youtube.com

ローマは1日にして成らずではないが、英語力も一朝一夕で伸びるものではないので、こうして地道に表現の幅を増やしながら、留学生活を送れればいいかなと思う。

大学院が始まって2週間が経った

9/23に大学のenrollment(学生登録のようなもの)が行われ、いよいよ修士号の生活がスタートした。早速、3日ほどにかけてドッグフーディングと呼ばれる全授業の概要紹介が各教員から行われ、学生はその内容を踏まえて履修をすることにになる。

履修一覧

  • Design and Use of Technology for Education
  • Researching Digital Learning
  • Learning Design for Blended and Online Education
  • Education and Technology: Key Issues and Debates
  • ※これに加えて、修士論文、もしくはサービスのプロトタイプを作っての実証結果をまとめる、などのfinal assingmentがある

では、まだ始まって二週間だが、思ったことをつらつらと書いてみる。

1. 課題の量が尋常じゃなく多い

留学を経験した人全員が異口同音に言うことだが、とにかくやることが多い。課題の量が尋常ではない。一回の授業の予習で求められる量が「200ページの論文を読破して考えをまとめて来い」が毎度なのは、なかなかにcrazyだ。しかし予習をしてこないと授業での理解も追いつかないし、またグループワークで何も発言できずuh-huhと相槌をうつしかできなくなるので、やらない訳にもいかない。ちなみに授業後には毎回グループワークとエッセイの無限ループという構成になっている。色々な人に会いに行こうとかインターンもして見たいとかのんびり思っていたが、ペースを掴むまではそんな場合ではなさそうだ。。。

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ある授業の初回コマの事前課題がこちら

2. 英語よりも内容に苦戦する

今のところ英語で何か致命的につらいと感じてはいない。のだけど、いかんせん読む論文の内容が難しい。英語で「ontology」という単語が出て来て、わからず英和辞典で調べたら「オントロジー」とだけ書いてあった。・・・あー、オントロジーね!うん、で、そのオントロジーって、なんでしたっけ・・・?一時が万事その体たらくで、課題の意味を理解するのに普通に日本語の辞書が必要な有様なのがなかなかつらい。

3. フルタイムで働いている人が結構いる

これは結構驚きだった。授業時間が基本的に17-20時、という不思議な時間設定であることに最初は???となっていたが、働きながら通う学生が一定数いるコースだと、こうした時間の組み方になるらしい。僕は日本で大学院に通った経験がないのでなんとも言えないが、こうした柔軟な時間の組み方は新鮮だった。ちなみに今一緒にグループワークをやっている友達の一人はGoogle UKのHead of なんちゃらで、ロンドンとパリを行ったり来たりしている。授業にはもちろん来ているが、授業外の時間でのグループワークはだいたい空港かホテルからインターネット通話で参加、といった具合でなかなか面白い笑(かなり忙しそうだけど)

4. 教育はサイエンス、と言われた

これがこの2週間くらいの中で、僕にとって一番印象的な出来事だった気がする。授業後に先生と話していて、修士論文で何を書きたいかと聞かれ「まだ明確ではないが、世に数多あるEdTech系サービスの学習効果を測定できたら良さそう」的な話をした。その発言が迂闊だった。その先生は目を爛々と輝かせ「学習効果を考えるには、どうすれば人は知識を身につけるのかの脳の働きを知る必要があるね!教育はサイエンスだよ」と意気揚々と言われ、そのまま神経科の先生の研究室に連行され、ド文系の人間がガチ理系の論文を追加で読みこむ羽目になってしまった(さらに二週間に一回ランチの時間帯に自主ゼミを開いてもらえるらしい)。大変にありがたいのだが、ただでさえ課題が多いのにこの追加課題は、つらい。。正直つらい。。。でもふと、6年半も教育サービスの仕事をしてきておきながら、どうすれば身につくのか、ということを脳の仕組みから考えたことって、ほんとに恥ずかしながら一度も無かったなと思い、凄くいい機会だと思う。だけど、あー、もうちょっとペースをつかめてからだとよかったな、、、

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こんな感じで大学院生活がスタートしている。思ったより最初からハードでやや疲弊しているが、今のところ楽しくやれているのかなと思う。天気ぼちぼちいいし(まだ10月だからか、思ってたよりも雨が少ない)、ご飯は比較的美味しいし、近辺の大学(LSEやKings College London、Imperial、London Business Schoolなど)との合同授業やイベントなど、立地的なメリットも享受できつつある。エントリーも、1〜2週間に一回くらいは書いていければと思う。

・・・ちなみに、学生と先生とのやり取りや教材のアップロードなどで使われるMoodleというLMSが、もう最高にびっくりするほど重くて見にくくて、かなり酷いw 個人的にはEdTechの最先端を研究する前にまず学生の学ぶ環境を整えてry

自分は何者で、これからどこに行こうとしているのか

はじめに、自分が何者なのか、簡単にまとめておこうと思う。

簡単に書いておくと、2013年に大学を卒業してリクルートに入社した。入社以来、一貫して受験サプリ(現在はスタディサプリという名前になっている)というオンライン学習サービスの事業開発や東南アジア展開に従事してきたが、この9月末をもって卒業し、2019年9月末よりUniversity College London(以下UCL)の教育大学院で、Education and Technologyという分野の修士号取得を目指している。Education領域で大学ランキング世界1位で、施設や教授陣も含めた様々な機会の充実度が良さそうな模様。

仕事をしながらの出願準備やIELTSなどのスコア対策は思っていた以上に大変だったが、最終的にはUCLを含め、Cambridge、Kings College London、Manchester、Birminghamの計5校から合格通知をもらうことができた。この辺は、留学を考えている人からご相談いただくことも多いので、そのうち別のエントリーでまとめてみたい。

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UCLの正門的なところ

今回のエントリーでは以下のようなことを書いてみたい。

  • なんで教育なのか
  • リクルートで何をしていたのか
  • なんで留学しようと思ったのか

これまでの自分は教育新規事業というようなタグで括れるが、何を思って今回留学をしようと思ったのか、その経緯と合わせて書いておこうと思う。

そもそもどのくらい自分のことをオープンに書くものなのかわからないが、もう既に何某かの形で情報が世に出ちゃってたりするので、変に隠したりぼかすよりはちゃんと書いた方がむしろいいかなという判断だが、いややめておけみたいなのがあればこっそり教えてください

なんで教育だったのか

  • もともと、自分の生まれた地域が 全校生徒の半分が生活保護を受けているようなエリアで、両親が教員だった背景も相まり、そうした「経済格差や地域格差による教育機会の格差」というイシューが、日本のどこかで起きているらしい社会問題ではなく自分の日常にあった
  • 他にもいくつか原体験があり、ぼんやりとだが働くときには教育機会格差の解消になにがしか関われる仕事がしたいと考えるようになった

リクルートで何をしていたのか

  • 大学時代、人づでに「どうやらリクルート内で、教育事業を始めるらしい」という話を聞いた。当時の自分は文科省を目指しており国家公務員試験の受験をしていた身だったこともあり、民間に就職するという発想自体がなかった。が、話を聞くにつれこれはやってみたいという気持ちが湧き、リクルートの門戸を叩くことになった
  • 幸運にも創業フェーズで受験サプリの部署に配属してもらい、コードを書く以外は本当にありとあらゆる仕事をした。最初の3年くらいはかなり体力的にも精神的にも大変で、コンテンツ・セールスなど部署も分かれておらず、一つの部署内の数名総出でプロジェクトを回しており、まさにスタートアップそのものだったと思う。この辺の経験は別の機会にまとめておきたい
  • サービスが次第に大きくなり、途中約2年に渡ってインドネシアやフィリピンへの展開にも従事させてもらい、日本以外でも教育の機会格差の改善に寄与できている実感を持てる日々を送っていた。

なんで留学しようと思ったのか

  • 色々書いてはみたものの長くなってしまい、結局ほとんど消してしまった。シンプルに言えば、教育という分野もそうだし、そうでない分野も含めて人がやるべきパートとテクノロジーがやるべきパートの住み分けってなんだろう・・・?ということをじっくり考えたくなった。
  • これまでの仕事の中でその問いに向き合っていたが、どこまでオンライン化すべきで、どこまではすべきではないのか、が自分の感覚のみに依拠しており曖昧だなと感じるシーンが多く、それを解決したいという感覚で、それに向かって、一度仕事を離れてフラットな目線でアプローチしたくなった、という言葉が一番しっくりくる気がする。

こんなような流れで、今僕はUCLに通う。2か月のpre-sessional、1年間の本コース、そして卒業後半年間は、英国に住むことができる。その中でどんな変化が自分に生まれるのか、期待と同時に不安もある。アメリカだと2年で行われる修士課程を1年間で送るので、かなりタイトなスケジュールになるようだが、それは自分の時間の使い方次第でどうにでもなると信じたい。何より、これまでのビジネス生活の中で培った観点とはまた違った観点で、教育・Education and Technologyという分野を見つめる時間をもち、より立体的にどうすれば生徒さんが勉強し続けてくれるのか・くれるはずだったのかを考える時間にしたい。

ブログを始めた

ブログを始めることにした。

きっかけは、リクルートを退職し留学するにあたってお世話になった方々にご報告をしたところ、藤原和博先生をはじめ(在職中、大変お世話になった。この辺りのことはまた改めて書きたい)何人かの方から「留学中に、ブログを書いてみては」とメールを頂いたことだ。

確かにいいかもしれないと思った。これまでブログを書いた経験自体がなく、ですます調で書くべきかそうでないのか、という次元からよくわかっていない。まずは、誰かに読んでもらうためにと肩肘張って書くよりも、まずは留学中日々感じるであろう様々なことを、定期的に言葉にしようとする中で、自分の頭の整理にしたいなと思う。それが結果的に、将来的に留学を選択肢の一つとして考えていたり出願準備をしている方なども含めて、他の誰かにとって、少しでも価値をお届けできるものになっていれば、それは望外の喜びだ。

とりあえず、あまり気負わずに、日々感じたことを徒然と書き連ねる機会にしたい。特に更新頻度というものは決めてないけれども、1週間に1回、週末とかを使って書く感じになるかな。

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